ここ数ヶ月、日本国債が乱高下していますね。
日本の国債はかなりバブルの様相で割高となっています。というか、最終的に買う人が日銀しかいなくて必ず買い取ってくれるので、銀行は国債を買いまくって日銀に売りつけている状況が続いています。
日本国債10年 年利回り |
このように、リスクの片側が欠落してリターンを得られる構造ですと、必ず歪んだ市場から歪んだ価格が形成されます。で、この状況が支えきれなくなった時に弾けますので、日本国はこの状況に何らかの対策を打たないと国債価格が暴落(国債利回りが上昇)することになります。
バブルが弾ける時期は未だかつて予想できたことはないのですが、バブルは必ずはじけていますので、その準備をしておくことは賢明です。
今回はそんな中で見つけた投資信託を紹介します。
ちょっと調べてみたところ、国債の下落局面には有効に作用するファンドでしたがデメリットもありました。見てみましょう。
まず商品ですが、「日本国債ベアファンド」。リンクはSBI証券のものを表示しています。
このファンドの特徴は、日本国債の空売りを手段としてレバレッジを効かせて、下落時に適切にリターンを得るように設計されています。ベアファンドですので、弱気相場、下落局面のための投資信託です。まだ、下落局面がないのであまり有効に作用しているシーンはありませんが、暴落時には儲けられるでしょう。
と言うことで、私も組み込んでみようかなと思ったのですが、いろいろ調べるうちに次の2つの欠点が分かりました。
①手数料体系
信託報酬がそれなりにありますね。0.5616%。信託報酬はそのファンドが儲けてようがいまいが、ファンドの手数料として召し上げられてしまうので、非常に痛い費用です。これが大きいファンドは長期保有に向きません。
日本国債の暴落がいつ来るとはわからない現状ではどうしても長期に保有できる商品が条件になりますので、信託報酬がある時点で不利なファンド名となります。
買付手数料もありますね、0.54%。コチラは1回きりの費用なのでまだいいのですが、ノーロードファンドのようにない方がいいです。
②レバレッジの功罪
このファンドは5倍レバレッジがかかっています。現在のように国債価格が乱高下している状況では、買い付け売付けが頻繁に行われ、5倍レバレッジですので、より運用費用がかかっているようです。
ですので、このファンドの過去推移を見ると、日本国債がほとんど何も起こってないのに、基準価格がどんどん下がっています。まるで買えば買うほど、やればやるほど、損をする確率が高まっていく「宝くじ」や「競馬」のようですね。
ということで、
- 何もしないのに減価してしまう。
- 短期勝負のベア
の商品ですので、暴落対応の目的には合致しない商品ですね。
買うのは止めにしました。
買うのは止めにしました。
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