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あまり詳しく書いてきませんでしたが、株式投資はそんなに敷居が高いものではありません。また、株ってコツを掴めば意外と儲かるものです(このコツについて具体的な方法は今、本を書いているのでいつか出版できたらと思っています)。
では、今回はこの株式投資をもう少しシンプルに解説してみましょう。
株式投資で成功するためには、下記の3つについて理解が必要です。
①株式(会社)が値付けされるカラクリを知ろう(価値と価格の関係)
皆さん、ネットや新聞で上場企業の株価が何円安、何円高と日々変動しているのはご存知だと思います。また、東京証券取引所で日本株が暴落して、全面安になったなどの情報も耳に入れたこともあるでしょう。では、株がなぜその値段で値付けされているのか、また株価がどのような要因で毎日変動しているのか疑問に思ったことはありませんか?
株価は日々変動していますが、概ねある理由をベースに決まっています。
まず抑えたい基本のきは、EPSとPER。
EPSは、Ernings per sharesといい一株利益といいます。
PERは 、Price Ernings ratioといい株価収益率といいます。
EPSは、その会社が1年で稼いだ利益(erning)を、発行済株数で割って、一株あたりの利益に換算したものです。会社によって株式を多く発行していたり少なかったりするので、一株あたりにすることで標準化し、比べられるようにしているわけです。
株式投資家の儲けの源泉は、企業の利益ですからEPSはその基本単位になります。で、その基本単位に対して株価が何倍になっているかがPERとなります。
具体的な例を示しますと、ある二つの会社A社、B社が、税引き後の最終利益が
A社:1,000,000円、B社10,000,000円とします。
一方、発行済株式総数が、
A社:10万株、B社:1千万株とします。
そうしますと、EPSは、
A社:1,000,000円÷10万株=10円/株、B社:10,000,000÷1千万株=1円/株
となり、一株あたりの生み出している利益は数字の見た目上、逆になってしまいました。
素の利益ですとB社のほうが儲けを出しているように見えましたが、一株あたりではA社のほうが儲けを出していることが分かりました。このように、単純に利益を見るだけではその会社の良し悪しは分かりません。
次に、A社株、B社株のうち、どちらが高いか安いか、正確に言うと、どちらが割高か割安かと言う観点で見てみましょう。
具体的な株価として、
A社:100円、B社50円とします。
単純な価格だけを比べると、A社のほうが高く見えます。B社がお買い得に見えますね。
ここで、PERを計算しますと、
A社:100円÷10円/株=10倍、B社:50円÷1円/株=50倍
PERで見る、つまり一株利益(EPS)ベースで見ると、B社のほうが50倍もの高さで売られていて、割高であることが分かります。
このように、株価は一株利益(EPS)に比較して何倍なら払っても良いという人達によって概ね価格が決められて売買されています。
もう少し分かりやすい観点を入れてみましょう。
PERは一株利益(EPS)の倍数ですから、言ってみれば「企業が1年で出した利益を何年継続すれば元が取れるか」という意味合いもあります。
PERの逆数を取ってみると、
A社:1/10倍=0.1=10%、B社:1/50倍=0.02=2%
つまりPERの逆数は、年間の利回り(単利ですが)と捉えることもできます。
A社はこの業績が続きますと、10年で元がとれますので、10%の利回りで預金をしている、B社は2%の利回りで預金をしている、とイメージすると良いと思います。
株を売買している人はこの会社をこの金額(株価)で買うと、何年くらいで元が取れるかと言う観点でも買う金額を決めているということを頭に入れておきましょう。
以上のように、株価は表面上の税引き後利益や株価を見ても全く意味はありません。
まずは、PERを見て、割安性を把握することが大事です。
ちなみに、EPSの方は、経年変化を見ることでも有効活用できます。会社によっては、新たに株を追加発行して資金を集めていることもありますので、利益の伸びだけを見ていると騙されることがあります。同じ利益でも、公募増資などをして株式発行総数が倍になると、EPSが半分になってしまうことを理解しましょう。当然に、EPSが着実に伸びているのならその会社は正当に成長していると見做すことができます。
②人間の心理で価格が異常に高くなったり安くなったりするカラクリを知ろう(価格の歪み)
上述のように、EPSと言う単位やPERと言う割高指標をベースにして、基本的な株価が決まっていることが分かりました。
(ちなみに、その会社の適正価格を理論株価といいますが、理論株価の考え方や計算方法には、もっともっと他の要因や違う計算方法もあります)。
では、それ以外の要因はないのでしょうか?利益等の会社の実力(理論株価)以外にも、価格が決まる要素があります。
それは人間心理です。
例えば、キャベツが近所のスーパーに100円で売っていれば、まあまあ妥当だと思いますよね。それが、1000円で売っていたら如何でしょうか?明らかに高いと感じてほとんどの人は買わないでしょう。
これは、やはり日用品で比較的誰もが知っているものは、そのモノの「価値」をだいたい分かっているので、「価格」が類推できるからです。
ほとんどの人は過去の経験やTV等のからの認知で、適正価格が分かっているのと、自分の懐が痛むために、極力ボッタクリには合わないように注意をしています。
一方、株式市場ではどうでしょうか?
参加者には頭の悪い人も多く、一攫千金を求めて参入している人も多くいます。
これらの人々は、会社の実力という「企業価値」を理解せず売買するので、不当な「価格」に踊らされます。ある会社の株が急騰すると、何故か慌てて買ってしまうという、むかしのライブドア株のような事態が頻繁に発生します。
これは、キャベツの価値は分かるのに、儲け話になると見境がなくなり、価格無視で買ってしまう人間の性でしょう。
また、人間は、損することが得することより5倍程度も苦痛と感じている、と言う学術的結果もでているようですので、このあたりの心理が、売買を狂わせる原因であるのでしょう。
その他にも、「価値」に対して「価格」が歪む現象の原因は多々あります。
例えば、上述のような素人ではなく、プロのファンドマネージャーにもあります。
ファンドマネージャは理論株価を意識して当然に売買していますが、ファンド(投資信託)によってはかなり厳しいルールのもとで運用しています。例えば、現金の比率は何%以下にしなさいなど。この場合、買いたくなくても無理して買わざるを得ない状況になってしまいます。
また、逆にオープンファンドですと期中に解約をされますので、そのために現金を用意しなければなりません。売りたくなくても売らなければならないんですね。
こんなように、人間心理や運用者のルールで価格が歪むことが多々あります。
この状況を踏まえて、いまこの会社(キャベツ)が不当に高いのか安いのかを見抜いていくと、投資は良い結果が生まれるでしょう。
③リスクを減らしながら最大のリターンを得るカラクリを知ろう(リスクとリターンの関係)
株式投資には、「リスク」がつきものです。
リスクリスクと皆言いますが、では、そのリスクとは何なんでしょう?
リスクはばらつき具合のことを言います。株価の変動の幅ということですね。
預金は預けておいても元本価格は全く変動せず、満期を迎えると元本と決められていた利息を足して返してくれます。また、社債も最後まで持てば、決められていたクーポンレートの通り、利息を付けて返してくれます。
では、株式投資はどうでしょう。当然に元本は補償なしで、長期に渡って、元本割れになることも多々あります。
この変動に耐えるということが、リスクに耐えるということです。
あなたの資産が半分になっても、売ろうなどと思わず心理的に持ち続けることができるか、また家計や個人の現金(キャッシュ)の要り用がなく、株式を売って現金にする必要が無いかということです。
ちなみに、リスクに対する(リスクあたりの)利回りの多さは、およそ15年を過ぎると、株式が社債を上回るという結果も出ています。この結果を踏まえると、15年現金が要り用にならず、株を売ることなく過ごすことができれば、平均的に社債を上回ることができます。
その間の価格の変動(資産が半分になるとか)に耐えられないなら、株式投資は、リスクを請け負った割に得るものは少なくなるカラクリだと思ってください。それが嫌なら、社債でも買ったり、定期預金などをしてしょぼいリターンに甘んじていたほうが身のためです。
また、無謀にも耐性がないのに株式投資を初めてしまったなら、リスクを負った株式投資をした割には、不利な条件で参入しているため、負け組になる可能性が高まっているということを認識しましょう。
私が長期投資を勧めたり、若い頃からの資産形成をすすめるのはこのような理由があるためです。
最後に、
以上を3つを理解して株式投資に臨むと良い結果が生まれる可能性が高まります。
あとは、良い会社を買って待つのみです。
すると、あなたの投資した会社は、少しずつ株価が上昇し(途中に人間心理等による大きな株価の上げ下げはありますが)、一定の期間以上保有していると大きなリターンとして報いてくれるでしょう。
また、あなたが投資した会社の従業員はあなたのためにせっせと働き、勝手に配当を振り込んできてくれます。ヽ(^o^)丿
この記事のまとめ:
- 株式投資は意外と簡単
- その上、コツを掴めば意外と儲かる
- 株価は、割安か割高かを知ることが大事。EPSとPER。
- 人間心理等で価格が歪むことが多々あることを理解する
- リスクに耐えられるポートフォリオを組もう
- 不労所得を得る手段の中でも、株式投資は王道であり、比較的低リスクで簡単である
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