今回は、この在庫管理法を応用した投資法とうまくいくかどうか、そしてその前提を考えてみましょう。
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■定量発注方式
JIS Z 8141-7312に規定されている方式です。
発注時期になるとあらかじめ定められた一定量を発注する在庫管理方式。備考 一般には,発注点方式を指します。fixed order quantity system。
メリット
・簡易的で、判断を要することが少ない。
デメリット
・在庫量が増えやすい
図で言うとこんな感じ↓ですね。
※画像は、http://lab.mgmt.waseda.ac.jp/prod_a/conveni/2-2.htmlよりお借りしています。
方式は、最初に決めた発注点を下回った時に仕入れの発注(発注時点)をします。商品の場合はそこからリードタイムが生じて、納品(入庫時点)となります。
投資法は、あとで纏めますが、
・一定の線をシグナルとして、株を買っていく方式
になります。
■定期発注方式
JIS Z 8141-7321
あらかじめ定めた発注間隔で,発注量を発注ごとに決めて発注する在庫管理方式。
備考 発注量は,次の式で表されます。
発注量=(発注間隔+調達期間)中の需要推定量−発注残−手持在庫量+安全在庫量
periodic orderingsystem
メリット
・在庫量が少なくなりやすい
・発注回数が少なくなりやすい
デメリット
・やや手間である
図で言うとこんな感じ↓です。
※画像は、http://lab.mgmt.waseda.ac.jp/prod_a/conveni/2-2.htmlよりお借りしています。
方式は、固定的な発注サイクルが存在して、一定量の足りない分を補充していきます。
投資法は、よくある形の、
・ドルコスト平均法
のようなかんじでしょうか。
■ダブルビン
JIS Z 8141-7320
同容量の在庫が入った二つのビン(箱,容器)を用意しておき,一方のビンが空になり,他方の在庫を使用しはじめたときに一つのビンの容量を発注する方法。
備考 一つのビンの容量を発注点と発注量とする発注点方式の簡易版で,複棚法,二棚法,ツービン法ともいいます。double bin system,two bin system
メリット・デメリットについては、以下のサイトを参照させて頂いています。
http://shigeo-t.hatenablog.com/entry/2014/06/26/101403
メリット
・目視で在庫量が分かる
・FIFO(先入れ先出し)ができる
・補充が容易
デメリットはある。
・全部品を管理する方法としては全体の在庫が大変多くなるため向かない
対象は下記の通り。
・欠品すると困る
・比較的安価
・消費量は多くないが比較的安定している
つまり、2連装式のトイレの紙などですね(笑)。
■投資への応用は?定量発注方式
では、これらの3つの方式が上手く投資に応用できるかを考えてみましょう。
まずは、定量発注方式の応用を。
自分の持ち株たち、ポートフォリオがある一定の金額を下回ったら、追加に購入していくことになりますね。
前提としては、自分の持ち株は素晴らしい株が多く(価値が高い)、株価が下がっているのは割安になっている、と考えることになります。
■ダウの負け犬戦略
似ている方法は、「ダウの負け犬戦略」があります。
自分の記事ですが、「ダウの負け犬戦略(Dogs of the Dow) --単純な割に効果がある投資戦略の3つの前提」
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この投資法が活きてくる環境や前提には次の3つのものがあると思います。
ダウ工業株30種平均に選ばれる銘柄は、超優良銘柄である、と仮定する
よって企業価値は高く、さらに維持される、もしくは増加する、と仮定する → 私のブログで言う「Fair Value」が高い
配当性向が維持される、と仮定する
以上の前提を持つと、「ダウの負け犬戦略」で選ばれた銘柄は、割安に放置されている銘柄であると考えることができると思います。実際この前提は成り立つと見て良いのでしょうか?
一つ目の超優良銘柄と言うのは、ダウ工業株30種平均に選ばれるくらいですからよっぽどいい会社であると考えて良いと思います。本業がしっかりしており、大きく崩れることがない、つまりリスクサイドもある程度限定できると考えてよいでしょう。
二つ目の企業価値が維持されるもしくは増加する点については、5倍とか10倍になるような成長株ではないにせよ、逆に半分になったまま帰ってこないということもないでしょう。企業価値が毀損されずしっかりと継続できれば、いつかは株価は戻ってきます。つまり一時は低迷して負け犬状態かもしれませんが、5年か10年待てる人は必ず報われる銘柄でしょう。
三つ目の配当性向が維持される件は、当然に安定した配当をしてきた会社なので30社に選ばれたのでしょう。ただ、一部Twitter社のように無配当の会社もありますので、配当の安定度は調べる必要があると思います。
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■私の買い方
私もこの方式を良く使います。
自分の持ち株が買値より下がって、マイナスになったとき、買いに行くシグナルと考えることが多いです。
私が選択した会社はかなりの優良企業であるという前提で考えているのですが、これらの会社が下がっているのはかなり割安な状態だ、という考え方です。
また、人間は損失が利益に対して5倍ほども苦痛に感じるという特性があるようなので、持ち株が下がって赤字が出て、ちょっとつらいなと感じた時に、買いに行くシグナルだと考えています。また、こんな状況の時は、バーゲンセールが始まったと考え直すことによって、株価の下落も嬉しく感じられるようになりました。
どちらにせよ、いい会社を選択しているという前提が大事なのですがね。
■投資への応用は?定期発注方式
次は、定期発注方式の応用を。
■ドルコスト平均法
こちらは有名なドルコスト平均法が上げられますね。まあ、それを意識しなくても、毎月5万円などの一定額を買い足していく方法になります。
在庫のように、どれくらいの量を買おうなどと考える必要はなく一度決めた金額を毎月コツコツと買い足していけば良いかと思います。
■私の買い方
私自身は、暴落で株式が割安になったときに買う方法なので、定期的に購入する方式は取っていません。この方法ですとドルコスト平均法のように買値が平滑化されますが、安く買うことができないため効率の悪い投資となります。
この記事のまとめ:
- 在庫の購入と投資における株式の購入は似ているところがある
- 定量発注方式は、ダウの負け犬戦略と似ている
- 定期発注方式は、ドルコスト平均法
- 「株式投資 ジェレミー・シーゲル著」 再読 --古典中の古典。投資をされる方は必読の書です!株式投資の圧倒的リターンを証明
- 金の卵を産むガチョウを探しましょう! --資本主義での資本は大きいほど生み出される効果がデカいです!
- ポートフォリオリスク --リスクとリターンの関係を見える化して分かる3つのこと、教訓
- 上がる株ほどよく上がる、という株式投資のカラクリ --やってみるとよく分かる3つの法則
- 投資法の変遷 --失敗から学ぶ投資方法、短期・中期・長期?、テクニカル・ファンダメンタルズ?
- テクニカル投資法について --人間のパターン認識と心理で間違いを起こす3つの理由
- NISAの具体的な活用法 --活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
- 「株で富を築くバフェットの法則最新版 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法」 読了 --Warrenの苦悩と凄さがリアルに分かる本
- 情報の非対称性を利用する方法 --福島瑞穂的フリーライド(タダ飯喰い)を見つけて、逆の投資法を考えてみる
- 米国市場の歴史から見る物価上昇と株価の関係 --インフレに強い資産を持つには
- 「勝ち抜け! サバイバル投資術」 読了 --ピンチを乗り切り資産10倍を目指す方法
- TPPとその価値、反対派の感情を考える --開国をするとメリットが享受できるのだが、なぜ人はそれを拒否するのか?
- ロシア売り、暴落の事例検証 --戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ
- アルゼンチンのデフォルトの検証 --国的にダメな時もあるが、投資すべきか?
- 白元倒産の経緯 --倒産に至るまでの3つのポイント、無理な事業はどこから歯車が狂うのだろう?
- 石油や金、つまり商品への投資について --投資すべき対象となりうるか?金利を産まないコモディティ投資について
- 「大暴落 1929」 読了 --暗黒の木曜日の歴史的書籍。淡々と記述される阿鼻叫喚の当時の様子
- 「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 --400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
- 書籍のご紹介 --投資、経済、ビジネスの本 -経済学基礎から偉大な投資家まで
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