このところ、毎月の積立投資も良いですが、過去平均より著しく安い時に投資金額を増額して投資をすると効率が良い話をしました。
今回は、その方法を自動化して、毎月の投資額を自動的に増やしたり減らしたりするやり方を説明します。
実際のところは、ある程度考え方が決まれば、EXCELで10分ほどで作れてしまうものです。
経済や金融の世界の話ですが、ランダムに動く株価などの値は正規分布をすることを前提としています。実際のところはそうじゃない動きをすることが知られていますが、正規分布を仮定しないとその後の理論づけに色々不都合なことが出るので、概ね正規分布だろうというところが出発点になっています。
今回考えた方法は、「米国株の買い時を計る --5年移動平均の上下1標準偏差(±1σ)の値を使ってみよう」で作った過去の移動平均からの乖離を表す標準偏差を重みとして、標準月投資額を変動させる方法となります。
標準偏差の計算式はこの通りになりますが、今ではEXCEL関数があるので数値計算自体は簡単ですね-。
利用するデータは、シラー先生の200年ほどのデータがある、S&P500になります。
考え方は簡単で、上記の確率密度関数の上側確率を使って重みとします。
上記の例ですと、過去の平均的な分布(確率密度関数の分布)に対して、現在の株価がxの時に、さらに株価上昇する確率が33.4%なので、その割合を加味するということですね。
重みの付け方は、いろいろあると思いますが、μの場所の時(ちょうど分布の真ん中の時)に基準投資額にして、50%を閾値で増減させます。
後は調整ごとですが、今回は、
- 月標準投資額 基準額になります。
- 最低投資額 → いくら確率が低いと言っても、「最低これくらいは積立投資する」という金額
- 最大投資額 → 今回は、最低投資額と対称としています。今回のように月標準投資額を10万円、最低投資額を2万円の場合は、最大投資額は18万円。
と言うインプットを使います。
月標準投資額を10万円、最低投資額を2万円にして計算したここ数年分の結果です。
ここ数年は、米国株高が続いていますので、月標準投資額を下回ることが多いですね。なお、下側確率を表示していますが、符号が反転するだけで上側確率を使っても同じです。
恐ろしく簡単で、おもちゃみたいな方法(お試し版)ですが、今後は時間ができたら過去データでバックテストをして効果を見てみたいと思っています。
この手法は、自著の、
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
でも取り上げています。詳細はそちらで。
ちなみにこの方法は、当ブログで進めている価値に対する価格の安さで投資をしていくアプローチではなく、どちらかと言うとチャートを元にしたテクニカル投資のようなものです。手法は、過去1年のデータから正規分布の確率密度関数を想定して、その重みを付けて投資金額を自動決定するものです。
amzn.to/2G1VtGw
でも取り上げています。詳細はそちらで。
この記事のまとめ:
- 積立投資向けの毎月投資額自動確定の仕組みを作ってみた
- 過去平均に対する確率密度関数を使い、重みを付けて投資額を増減させる方法
- ここ数年は、米国株高のため投資額が低く押さえられている
- 米国株の買い時を計る --5年移動平均の上下1標準偏差(±1σ)の値を使ってみよう
- 定点観測 2017年7月 --過去1年移動平均と標準偏差からみた株式市場の買い場
- 株ってどんなタイミングで買ったら良いの? --私のエントリーを見てみます。けっこう適当に買っていますね。(T_T)
- リスクへの対応・『確率』 --人間の感覚に相容れない『確率』に向き合うには?確率を元にした良いディシジョンが、人生をいい方向に向けていく!
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- 米国市場の歴史から見る物価上昇と株価の関係 --インフレに強い資産を持つには
- 「大暴落 1929」 読了 --暗黒の木曜日の歴史的書籍。淡々と記述される阿鼻叫喚の当時の様子
- 「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 --400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
- 「12大事件でよむ現代金融入門」 読了 --人間の欲望と歪みから生じる12の暴落事例、バブルが弾けるカラクリが学べます
- 私が利用している「証券会社」一覧 --証券会社選択で悩まれている方への選び方のポイント
- NISAの具体的な活用法 --活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
- 節約のすすめ1 --「源泉徴収法」20代の頃に悟った、なにはともあれ一番効率のいい投資法です
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- 節約のすすめ4 --さぁ、断捨離第2弾、30年間連れ添っている腕時計の話、時間が創造する価値の大切さ・貴重さ
- 「となりの億万長者―成功を生む7つの法則」読了 --米国の億万長者の思考回路を膨大なアンケートから紐解いた良書
- 積立投資 2017年10月 --正規分布を仮定して毎月の積立額を決めてくれる仕組みを作りました。先月からこの額を元にVTIへの投資を継続中
- 積立投資 2017年11月 --今月の積立額は24,078円。過去1年で一番高い水準にあり、投資額が重み付けでかなり少なくなっています。これでVTIを買います。ヽ(^o^)丿
- 積立投資 2017年12月 --今月の積立額は25,582円。過去1年で一番高い水準にあり、投資額が重み付けでかなり少なくなっています。これでVTIを買います。ヽ(^o^)丿
- 積立投資 2018年1月 --今月の積立額は21,837円でした。過去1年で一番高い水準にあり、投資額が重み付けでかなり少なくなっています。これでVTIを買います。ヽ(^o^)丿
- 積立投資 2018年2月 --今月の積立額は37,255円でした。2月の暴落で少し標準偏差の上側に近づいてきました。まだ、平均投資額の10万円に比べれば少ないですね。(-_-)
- 積立投資 2018年3月 --今月の積立額は64,422円でした。株価調整で過去1年の平均値に近づいてきました。久々に買い増し額が大きくなっています。
- 積立投資 2018年4月 --今月の積立額は59,944円でした。市場がやや戻したため、投資額が減りました。
- 積立投資 2018年5月 --今月の積立額は59,944円でした。市場がやや戻したため、投資額が減りました。今月もVTIを積み立てていきます。(^o^)
- 積立投資 2018年6月 --今月の積立額は52.059円でした。S&P500が少し上げましたので、積立額がさらに小さくなりました。地道に積み立てていきます。
- 積立投資 2018年7月 --今月の積立額は30.831円でした。S&P500は上げました。積立額は相当小さくなっています。
- 積立投資 2018年8月 --今月の積立額は24,034円でした。S&P500はさらに上げたため、積立額はかなり小さくなりました。少し投資しづらいですね。Σ(゚Д゚)
- 積立投資 2018年9月 --今月の積立額は26,263円でした。過去に比べて高値水準ですので、投資額が小さいままです。
- 積立投資 2018年10月 --今月の積立額は122,881円でした。ニューヨークの株価調整により大きく買い付けるチャンスが到来!この重み付け積立投資を始めてから初の平均投資額を上回る計算値が出ました!
- 積立投資 2018年11月 --今月の積立額は95,809円でした。ニューヨークが少し戻しましたので、買付け額は平均値に近い額となりました。
- 積立投資 2018年12月 --今月の積立額は178,040円でした。上限まで買う状況となっています。チャンス到来ですね。
- 積立投資 2019年1月 --米国市場は1ヶ月で大きく戻してしまいました。いい買い場の時間は少なかったですね。次のチャンスを待ちましょう。
- 積立投資 2019年2月 --米国市場は前月よりさらに株価を上げてきました。これにより投資金額も更に小さくなり、72,275円となりました。(TдT)
- 積立投資 2019年3月 --米国市場がさらにさらに上昇。かなり高くなってきたため、今月の積立額は55,818円となっています。(TдT)
- 積立投資 2019年4月 --米国、中国、ジャカルタとも上昇。今月の積立額は平均10万円に対して、31,913円です。ただ、5月に入り米中貿易問題が勃発。注視を!
- 積立投資 2019年5月 --今月の積立額は平均10万円に対して、113,854円です。米国株は過去平均に対して高く推移してきましたが、やっと下げてきましたね。ヽ(^o^)丿
- 積立投資 2019年6月 --米国株は株価を戻してきました。今月の買い付け額は、39,316円となっています。上側確率が12.1%で少額の買い付けとなります。
- 積立投資 2019年7月 --株式市場がさらなる上昇となりましたので、積立額も少額に!今月は36,355円でした。ただ、8月は!!!
- 積立投資 2019年8月 --今月の積立投資額は51,949円。株価が下げましたので、前月から投資金額が増えました。多く買い増していきましょう!
- 積立投資 2019年9月 --NY市場が少し上げましたので、今月の積立投資額は40,589円。まだ高い状況なので、控えめな投資となります。
- 積立投資 2019年10月 --今回の購入額は35,609円。ほぼ一貫して上昇相場なので、積立額も小さい状況が続きます。(T_T)
- 積立投資 2019年11月 --今月の買付額は29,068円。かなり少額です。NY市場の上昇で買いづらい状況が続いています。(´・ω・`)
- 積立投資 2019年12月 --今月の買付額は23,866円。笑うしかないくらいに小さい額になってしまいました。ここ1年米国市場はかなり上昇しています。(´・ω・`)
- 積立投資 2020年1月 --今月の買付額は28,255円。1月は市場が大きく下げましたが、米国市場の下げ幅は相対的に少なかったです。
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